W-asiのアメプロおぼえがき

AEWのせいで15年ぶりにアメプロ沼落ちしたオタクのブログです

ノバチェックと赤いガウンとMJF

初めて見た時の印象は、なんかやたら濃い兄ちゃんだなという感じだった。

彼の名前はMJF。フルネームはマックスウェル・ジェイコブ・フリードマン。なおジェイコブの部分は本名ではないそうである(本名はマックスウェル・T・フリードマン)。

なんだかよくわからんが政治家みたいな設定らしく、いつもスーツを着てバーバリーみたいなノバチェック地のマフラーを常に首にかけ、しょっちゅう演説台を前にまくし立てている。とにかく声がでかくてうるさい。周りにはいつも秘書や弁護士をはべらせ、めちゃくちゃ偉そうに振る舞う嫌味な若造。感情は機嫌がよくてニヤニヤしてるか機嫌が悪くてイライラしてるかの二択しかない。

どっかで見たことあるな、と思った。

慇懃無礼な紳士(と自分で思っている)というキャラはウィリアム・リーガル、チェックとやかましいマイクアピールはロディ・パイパー、よく動く表情筋はザ・ロックの影響だろう。1996年生まれの24歳だそうだが、よくここまで過去のヒールを研究したもんだな、と感心した。が

MJFはそんなものではなかった。

こいつは 本物(ガチ)である。

 

Dynamiteのとある回のスキット(試合の幕間に流れる、番組のストーリーラインを説明するためのミニドラマ)の出だしで、MJFはしかめっつらで叫んだ。

「ゲンキデスカッ!!!」

空耳かとその時は思っていた。いやまさか。似た発音の言葉が英語にもあるのかもしれない。そもそも「元気ですか!!」は、しかめっつらで叫ぶような言葉ではない。

だが、MJFは本物(ガチ)だった。

ALLOUTでのAEW世界王座戦のゲート入場、彼は真っ赤なガウンを着て現れたのだ。

 
 
 
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燃えるー!!闘魂ー!!!アントニオMJFー!!!

ガチだ。こいつはとんでもねえプロレスオタクだ。

よくよく考えたらスーツ姿も、いつも首からかけているマフラーも、赤いネクタイもアントニオ猪木のそれである。政治家ギミックも猪木が政治家であることから影響を受けているのかもしれない。1996年生まれの24歳の若手レスラーが猪木のコスプレをしているのだ。どういうことだってばよ。なおMJFのトレードマークは円形のエンブレムにライオンである。新日のマークじゃねえか!

試合もめちゃくちゃ上手かった。重戦車みたいなパワーファイターのモクスリーを地味ィに痛そうなサブミッションでジワジワ責めていくのだが、その技の間ずっとMJFはニヤニヤしている。客席から飛びまくるブーイングにMJFは大喜び。恐るべき24歳である。試合後半には御丁寧に闘魂注入ビンタ合戦まであった。そこまで猪木かよ。試合自体はモクスリーが王座を防衛したが、オーディエンスを支配していたのは明らかにMJFだった。

何がMJFをこうさせたのか、私はとりあえずMJFのインスタを遡ることにした。

 
 
 
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MJFくん17歳。ごく普通の高校生。てか高校生の頃からのアカウントをずっと使っているのかよ…

 

 
 
 
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その数日後、友達と一緒にRAWの収録に参戦。めっちゃいい席だな…この頃は普通のプオタくん。推しはジョン・シナだったそうな。

 

 
 
 
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半年後にこうなりました。早いわ!!!なお自分でもネタにしている。

 
 
 
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そして2014年の9月にはプロレス道場に入門していたようなのだが、最初の写真から1年経ってない。マジかよ…2015年にはWWEが主催する新人育成企画タフ・イナフにエントリーしたものの、参加にまでは至っていないようであった。しかし何がMJFを突き動かすのか。それは2015年8月2日ーロディ・パイパーの命日の2日後のインスタグラムにあった。

 

 
 
 
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これによると、MJFはおよそ5歳の頃に叔父さんの家で初めてプロレスを見て「このでっかいおじさんたちの殴り合いは本物なの?」と聞いたところ「マジさ!」と返され「そんなわけねえだろ」と思い、ビデオ屋WWEのDVDを買ってもらって研究を始めたそうである。かわいくねえガキだなw

その後みるみるうちにプロレスオタクになり、自身が生まれる以前の試合までチェックするうちに、でかいホーガンやロックやアンドレ・ザ・ジャイアント(古いわ)よりも小柄なパイパーを推すようなガチオタクになってしまったという。わかるよ私もパイパー好きだったよ…夜中のテレビで見たゼイ・リブの主人公と同一人物だとわかるまで時間かかったけど… あ、このパイパー追悼文章、めちゃくちゃいい話なので是非皆さんGoogle翻訳で読んでください。

5歳にしてプオタ幼児となったMJFはバラエティ番組『ロージー・オドネル・ショー』に出演し、この歳にして恐るべきトーク能力を披露している。いやすげえな…当時の推しはロック様とゴーバー。

www.youtube.com

ここまででおわかりいただけただろうか、MJFのリング上でのキャラクターは一朝一夕にできたものではない、彼が5歳から24歳の今に至るまで19年に渡るガチガチのプロレスオタクであるからこそ成せるプロレス研究の成果なのだ!プロレス界の庵野秀明かよ…!!

なお、インスタを漁っても猪木のことはどこにも書いてなかった。いつかボロってくれることを願う。たぶんジェリコのライオン道時代とかも知ってる。

 

あと、めちゃくちゃ歌が上手いのでどっかで有効活用してあげてください

 
 
 
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